特定非営利活動法人 グリーンラインを愛する会

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28,明日があるさ、夢がある~行政担当者の方々へ~

28,明日があるさ、夢がある~行政担当者の方々へ~

私がグリーンラインを愛する会の活動の中で出会った多くの行政担当者の方々には、「これからの時代の行政マンはかくあるべし」と思わせてくださる方が何人もおられた。無論その反対のタイプの方も決して少なくはなかった。前者のタイプの方々は、我々ボランティア団体と積極的に関わり、その考え方や希望などをしっかりと聞き、それを行政の上に行かしてゆこうとするタイプの人、もう一つのタイプは「出来るだけいらない事には手は出すまい」と言うタイプである。

前者のタイプの人々は総じて我々を使うことに長けた人達であった。「使う」と言う言い方は適当ではないかも知れないが、行政の手の届かないところ、行政がやるには効率の悪い仕事を上手に我々の力を活かして実現しておられた。あえて口の悪い言い方を許していただくならば皆さん「おだて上手。使い上手。」な方々であったように思う。元福山市の観光課長のAさん、元広島県福山地域事務所長のBさん、同じく道路管理課長のCさんなどがその代表格である。どなたも我々の良き理解者であり、良き協力者であり、良き助言者であった。この方々のおかげで我々はグリーンラインの環境の整備や活性化の上でのやり甲斐のある働き場所を用意していただき、我々の夢や希望や要望を行政の仕事の上に行かしていただくことが出来た。この方々は我々が役所に出向くのを待つのでなく、常に向こうからアプローチをしてくださり、向こうから我々に歩み寄ってきてくださった。

一方のタイプは昔ながらのお役人気質の人と言えるかも知れない。福山市役所にいる友人の課長がこんなふうに自嘲気味に嘆いていた。「行政の体質は慣例主義に象徴されている。昔から慣例としてやってきたことをちゃんと踏襲していれば一応職責は果たせる。もしも変なやる気を出して新しいことを手がけたりして、万一それが旨く行かなかった時は自分の責任になる。企業の人事考課が“加点主義=その人は何か新しいことをしたか?”だとすれば、行政は“減点主義=その人は何かまずいことをしなかったか?”だからリスクを犯してまで新しいことに挑戦しようと言う気にはなりにくい。」このようなタイプの方々はまず向こうから声をかけてきてくださることはない。こちらが声をかけても決して身を乗り出しては下さらなかった。彼等にとって我々の提案や要望はどちらかと言えば「余計なお節介。余分な仕事を生み出す厄介者。」なのだろうと思う。

しかし、時代の変化は否応なく行政の体質をも変えてきているのは確かである。現在の行政担当者に求められる能力のひとつは「如何に民間の力を引き出し、利用して行政課題の解決に役立てることが出来るか?」だろうと思う。その意味で行政担当者の方々に「上手に民の力を活かすための知恵」とでも言うべきノウハウを少しだけご披露したいと思う。もし同感していただき、お役に立てていただけるなら幸甚である。

まず良く言われる「我々は日常業務だけでも手一杯の状態。とても大勢の方々の話を一々耳を傾けるだけの時間は作れない。」というのは事実だろうと思う。私も会社の社長として同じ悩みを抱えている。出来るだけ大勢の社員と関わりたい。出来るだけ多くの社員の希望や要望や意見を聞いて、出来るならばそれを経営の上に活かしたい。しかし仮に一人の社員あたり30分でも話を聞こうとすれば、それだけで数日を要してしまう。とても無理である。ではどうするか?私は「意見や考えを聞かせてくれ」と言うのは肉声で直接社員に言うが、その意見や考えは文書にまとめて提出するように要求している。そしてその中から有益なものを取り出して本人を呼び、直接の対話をするのである。こうすることのメリットは何か?

1,意見や考えを文章にすることにより、本人も自分の意見や考えを客観的に見直すことが出来るし、漠然とした考えを具体的にすることが出来る。

2,見るこちらもダラダラと話を聞くよりも遙かに効率が良い。しかも文章力はその人の知性や教養を表し、その行間からはその人の人柄も見えてくる。全員でなく何人かからしか話を聞けないとき、誰を選べば良いかが見えてくる。

3,直接の話し合いの前にお互いの一致点と相違点、妥協点や質問や説明を求める点などを整理して話し合いに望むことが出来る。

 

そして話し合うときに私は以下のことを心がけている。

1,相手の立場を良く理解し、その意見や要望の中に活かすことの出来る物を探す努力をする。

2,先入観をもって相手を測らない。相手と接しない。

3,自分の立場や考えは常にはっきりと表明する。

4,その上でお互いに歩み寄れる点や協力できる点がないかを考え、提案する。

 

このような知恵やノウハウを持っていて下されば、少なくとも今よりも多くの「声なき声」を聞く能力を身につけていただけると思う。そしてそれは必ず行政が今以上にきめ細かく、効率的で、住民に喜ばれる施策を実現する力になると信じます。

 

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行政担当者との話し合い

大陽新聞連載~よみがえれグリーンライン~

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