特定非営利活動法人 グリーンラインを愛する会

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19,明日があるさ、夢がある~その1~

19,明日があるさ、夢がある~その1~

グリーンラインの桜も4月2日頃からぼつぼつ見頃になり、9日頃が満開ではないでしょうか?年々多くの方が見に来てくださりうれしい限りです。すっかり福山の桜名所として定着してきました。さて今回のお話しです。

 

2002年10月、天理教災救隊の協力を得て第二展望台から20年余ぶりに美しい鞆の海が見えた。遊歩道沿いの松枯れ木の伐採も大幅に進んだ。そして嬉しいことはその後にも次々にやってきた。話は少し遡るが、2001年頃からグリーンラインを愛する会は広島県に対し後山公園の駐車場及び周辺の改修工事を要望していた。なにしろ駐車場は穴だらけの上、ど真ん中からガードレールで仕切られていた。前にも話したがこの駐車場は当時ほとんどカラスと野犬と暴走族のものだった。トイレも落書きだらけ、糞尿が山盛りになっていて、よほどせっぱ詰まっていても使う気にはなれない状態だった。

それが見事によみがえったのだ。私達の思いに広島県の担当者も心を動かしてくれ、本格的な改修工事に着手してくれたのは2002年の春だった。しかもその計画に当たっては何度も私達から要望を聞く機会を作ってくれ、「車椅子の人や足の弱い人にも、この美しい景色を楽しんで貰いたい。」という私達の願いを実現してくれた。改修工事により車椅子で散策を楽しめる遊歩道が出来た。その為の身障者用の駐車場も出来た。期待すらしていなかった太陽電池の夜間照明まで設置していただいた。私達が吹雪の中で何日も木を切り、草を刈った丘に立派な東屋が出来た。時期は少し後になるが第2遊歩道にあった「お化けトイレ」も撤去していただいた。第2展望台も「せっかく見晴らし良くしていただいたのに、汚いままでは申し訳ない。」と再塗装もしていただいた。申し訳ない思いはこちらの方であった。我々のささやかな活動をここまで高く評価していただき、感謝していただいたことは本当に嬉しかった。

私の偏見かも知れないが、行政は得てして計画をあらかた作ってからしか、私達の意見を聞こうとしないことが多いような気がする。その意見聴取もほとんどセレモニーで、余程のことでもなければ当初の計画を大幅に変更するなどと言うことはないように思う。しかし、ことグリーンラインに関する限り広島県の姿勢ははっきりと違っていた。常に私達の意見に積極的に耳を傾け、出来るだけその希望や要望に応えようと努めてくれた。それは当時の地域事務所長であった高橋利暢氏の存在も大きな影響を与えていたと思う。氏は私達と行政とのコミニュケーションの場を自ら提案して作って下さった。そしてその良好な関係は今も継続している。そのような関係が後山公園の改修工事を見事に完成させたのだと思う。2002年10月に総工費八千五百万円の改修工事は無事終了し、現在の姿によみがえった。公園がきれいになったことも無論嬉しかったが、「官民協力の町作り」と言う、ともすればキャッチフレーズだけ、あるいは官・民どちらかに偏りがちな事柄を、絶妙な連携・協力で成し遂げられたことが何よりも嬉しかった。

そしてその成果は翌年5月、広島県景観会議の「第10回景観づくり大賞・最優秀賞・地域活動の部」の受賞へと繋がった。私達は別に誰かに誉めて貰いたかったわけではないが、その活動の理念と実績が、周囲から見ても評価に値するものであったと言うことが証明された気がして嬉しかった。

こうして私が当初描いた夢の幾つかが、予想もしないほど早く実現した。そしてそのことがまた新たな夢の誕生へと繋がっていった。

無論全てが順調に、理想的に進んでいったわけではない。今でも心ない人たちによる不法投棄は跡を絶たないし、犬や猫を遺棄して死に追いやる無責任な人たちも無くなってはいない。路側の危険木の伐採もなかなか実効の有る形に成らず、観光バスは屋根を気にしながら走っている。活動を支える会員の数もここ数年横這い状態であるし、資金も厳しい状態が続いている。しかし、先行きの見通しが全く利かなかった当初の状態から考えると遙かにましである。多くの理解者が行政・企業・各種団体の中に増えてきて、その人達が色々な形で私達をバックアップしてくれている。「時間は掛かるかも知れないが、いずれ何とかなる」そう思えることは本当に大きな救いである。

次回から今私達が描き、取り組んでいる夢の幾つかを紹介したいと思う。そしてその後に私達が考える「グリーンラインの未来」「福山の観光におけるグリーンラインの位置づけ」「グリーンラインの経済的価値」等に触れて行こうと思う。もうしばらくのお付き合いをお願いしたい。

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2002年4月 綺麗になった後山公園の駐車場とトイレ

 

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みんなで木を切り草を刈った丘が・・・

 

大陽新聞連載~よみがえれグリーンライン~

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