特定非営利活動法人 グリーンラインを愛する会

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17,後山公園第2遊歩道・・・「海が見えた!海が見える!」(その2)

17,後山公園第2遊歩道・・・「海が見えた!海が見える!」(その2)

グリーンライン沿線の松枯れ木の現状を、行政に理解して貰うことはなかなか出来なかった。また理解はして貰えても、「予算が」「他とのバランスが」等と色々な事情を説明されるだけで、なかなか事業を始めては貰えなかった。せいぜい毎年申し訳程度に道路に被さる枝を払うくらいであった。それも伸びる枝の勢いにはとうてい敵わなかった。

私達はグリーンライン沿線の松枯れ木を、自分たちの力で伐採しようと思った。一からチェンソーの扱いを学び、伐採の仕方を学んだ。しかし、わずかな人数の素人樵集団が立ち向かうには、余りにも現状は厳しかった。

そんなところに天からの助人が現れた。「天理教災害救援隊、広島教区隊」の応援申し出があったのは2002年(平成14年)春頃のことだった。この事がなければ遊歩道の整備は確実に数年は遅れていただろう。

当時の「グリーンラインを愛する会・会報」の記事を引用してみる。

 

(以下引用)

「天理教災救隊」の協力による枯損木伐倒作業について

 

見出しのことに付き、下記の通りご連絡申し上げます。この事業は昨年夏頃より本会から協力の打診を行っていたもので、漸く実現の運びとなりました。完全なボランティアの手になるこれだけの規模の枯損木伐倒作業は、県東部ではおそらく初めてのことではないかと思います。この作業により展望台の景観を回復させることが出来るのではないかと期待しています。また、この事業にあたり広島森林管理署殿はじめ該当場所の民有林所有者の方からもご協力を頂きます。また、時間が許せば遊歩道沿いの危険木だけでも撤去したいと思っています。

 

平成14年10月21日

グリーンラインを愛する会

理事長 丸山孝志

 

=記=

 

日 時 ;平成14年10月28日(月) 午前10時~午後4時

平成14年10月29日(火) 午前9時 ~午後2時

 

場 所 ;後山公園南遊歩道、第2展望台前面国有林他

 

参加者 ;天理教災救隊 40名        本会 3~5名

 

概略装備;天理教災救隊及び本会合計 エンジンチェンソー約10台 他

 

詳 細 ;1,伐倒作業の主目的は南展望台の景観確保及び遊歩道の安全確保。

2,民有林(所有者鞆町志田殿)には事前に本会より了解を得ました。

3,民有林は遊歩道の道幅と安全確保のための伐倒にとどめる。

4,伐倒木は現場に留置場所を設けて積上げるが、流出防止に特に留意する。

(以下省略)

 

こうして作業は始まった。「災救隊」の皆さんの働きぶりは見事だった。彼等は充分に組織され、訓練されていた。装備も素晴らしかった。そして何より彼等は「奉仕する喜び」を知り尽くした人たちの集団だった。危険で体力と気力を消耗する厳しい作業を、彼等は黙々とこなしてくれた。見る見る松枯れ木は伐採されていった。一日目の作業が終わる頃、誰からともなくこんな声が聞かれるようになった。

「せっかくここ迄やるんなら、展望台から景色が見えるまでやりたいな。」

しかし、そうする為には事前に森林管理署から許可を得た範囲を超え、森林管理署の許可を得ていない木も切らねばならない。また民有林も、約束した「遊歩道を確保するための最小限の伐採」と言う範囲を超えなければならない。しかし現場にいる私には彼等の気持ちが痛いほど分かった。「責任は私が取ろう。もし罰せられるなら罰せられても良い。賠償を求められるなら、それも受けよう。」私は決心した。

「あそこまで切ろう。あの木も、あの木も切ってください。」私は彼等に言った。彼等は勇躍森に分け入っていった。

 

taiyo1701
2002年10月 危険な作業に挑む隊員達

 

taiyo1702
見事に蘇った遊歩道

 

大陽新聞連載~よみがえれグリーンライン~

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