24,明日があるさ、夢がある~グリーンラインの経済的価値(2)~
私は今グリーンラインに日があたり始めていると感じている。そのことについて少し触れてみたいと思う。
* 価値観の変化がグリーンラインに光を当てる。
グリーンラインにはすばらしい景観がある。しかしそれでも無料化に追い込まれ、荒廃の一途をたどってきた。では「すばらしい景観」はお金を払う価値がないのか?これには国民性や当時の一般的な価値観が影響していると思う。日本は至る所にすばらしい景観がある。国中が公園と言っても良いほどである。あまりに景観に恵まれているために、逆にその価値やすばらしさが身近すぎて感じられないのではないか?「景観はただ」と言う意識が一般にあると思う。また当時はレジャーというものはお金を使って遠くへ出かけて、豪華な施設で、高価な遊具や設備を利用して楽しむものだというのが主流の考え方であった。もちろん今でもそのような考え方は残っている。東京ディズニーランド、ディズニーシー、ユニバーサルスタジオジャパン・・・。しかし確実に意識は変わりつつある。自然の中で何もしないで(?)過ごすことも立派なレジャーとして認知されつつある。各地のテーマパークが次々と閉鎖に追い込まれる一方で、アウトドアレジャーは質的変化を遂げている。また、環境問題の深刻化が逆に自然の大切さやすばらしさを人々に気づかせる事にもなっている。
* 地価は今やバブル期の10分の1以下。平地に比べ格段に安い林野。
グリーンラインに「十数億円の費用をかけて建設された」と言うホテルの廃墟がある。今やその価値は「2億円でも高い」と言われている。また、林業の衰退により山は荒れ放題、当然その資産価値は「ただ同然」である。しかも福山市街地周辺の山林の中でもグリーンライン沿線は比較的険しく、大規模な開発には比較的不向きと考えられている。このことは逆に言えば「使いようでは」グリーンラインは安い買い物がごろごろして居るとも言えるのではないか?
* インターネット時代とグリーンライン。
インターネットの普及は文化や市民生活を変えただけではない。企業のあり方をも大きく変えつつある。アメリカに本拠をおくグローバル企業は高い地価と高い人件費の掛かる国内ではなく、インドなどに事務部門の拠点を移しつつある。交通の便利さなどは急速にそのメリットを失いつつあるのだ。当然日本国内でもそのような動きは始まっている。多くの大企業が事務・企画・研究・開発・設計等の部門を地価の高い東京を避けて、環境に恵まれた「かつて僻地とよばれた場所」に移している。グリーンラインもその候補地としての価値があると思うのだが・・・。
3,進出企業側から見たグリーンラインの経済価値
* ともかく地価が安い。
先にも述べたように、グリーンライン沿線は福山市街地周辺でもとりわけ地価が安い。大規模な開発をして大きな工場を建設するのには不向きでも、小さな施設を作るには絶好の場所だと思う。また、市街地化の波に飲み込まれ、公害問題で頭を抱えている牧畜等の施設を作るにも、グリーンラインは適地ではないかと思う。無論観光と絡めて新たな展開を図ることも可能である。
* 業種・業態を選べば山間部でもメリットあり。
先にも述べたとおりである。何でもかんでもグリーンラインが良いとは言わないが、事務・企画・研究・開発・設計等の部門や牧畜等にはグリーンラインは適地であると考える。恵まれた豊かな環境の中で過ごすことは人にも家畜にも、大きな効果を生みだしてくれると思う。また当然ではあるが、観光・健康・福祉関連の施設には山間部でありながら、海にも恵まれるグリーンラインは絶好の適地である。
* 新しい事業分野への進出の好機。
多くの企業が長い不況の闇の中で疲弊しきっている。とりわけ深刻なのは経営者が自信をなくし、やる気をなくし、夢や希望をなくしていることである。そのような中で、比較的小さなリスクと投資額で新しい業種や事業分野への進出が可能なのがグリーンラインであると考えている。無論旧態依然たる考えでは成功はおぼつかないが、すばらしい景観の中にたたずんで居るだけで、新しいアイディアと勇気がわいてくるように感じるのは私だけだろうか?