特定非営利活動法人 グリーンラインを愛する会

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27,明日があるさ、夢がある~企業と地域の関係を考える~

27,明日があるさ、夢がある~企業と地域の関係を考える~

私がグリーンラインと関わる中で、気づいたことがある。地域の活性化、産業や商業の発展・繁栄というものは直接的な手法だけでは実現は困難であるし、決して永続しないと言うことだ。今私は農民のような思想を持つべきだと考えている。

何かをなしたいと願い、何かの実りを願うならば、まず木を切り、草を刈り、石を除いて畑を作るところから始めなければならない。自然が勝手に植え、勝手に育てて実を結んだものを取り入れることを農業とは言わない。獲物を求めて山野を彷徨ったり、網を打ったり釣り糸をたれるだけの時代ではない。牧畜も養殖漁業も、安定した収穫を永続的に約束するための人知の結果である。農業もしかりである。豊かな肥えた畑があって初めて大きな実りが期待できるのだ。企業の姿も全く同じだと私は思う。企業の経営者の中には畑を肥やすことには無頓着で、親や先代が残してくれた畑にただ種をまき、取り入れることしかしない人もいる。だから数十年も立つと畑はやせてしまい、実りも少なくなってしまう。それを周囲は「企業の寿命」などと言う。そのようにしていかに多くの企業が消えていったことか・・・・。

豊かな実りまでには多くの一見無駄に思える作業がある。まして永続的に豊かな実りを期待するならばなおさらである。種まきから後だけ考えてもそうである。せっかくの種を地面に捨てるのだ。そして土をかぶせて隠してしまう。やがて生えてくるのは実ではない、ただの草である。その草にやがて実が実ることを信じて肥やしをやり、額に汗して水をやるのだ。しかし必ず実るという保証はどこにもない。実らせるか実らせないか、どれほどの実りを与えるのか、それは天が決めるのだ。

経営者の仕事は多種多様である。お客様の期待される商品を開発し、製造し、お客様を訪ねて販売し・・・そのようなことも大切な仕事ではあるが、決してそれだけで経営者のつとめは果たせない。私のまく種を受け止め、はぐくみ育て、豊かな実りを恵んでくれる良く肥えた畑・・・それが地域であり、地域に暮らす人々であると思う。地域の環境が豊かに美しく快適で有ること、地域に暮らす人々が夢や希望や誇りを持って活気に溢れていること、地域の住民と産・官・学が共に手を携えて地域の発展を目指して活動すること、それらが私たちの会社を支えてくれる。

「誰かがやってくれる」等という期待をするのはちょうど「カラスか何かが種をまいていてくれるだろう」「探せばどこかに実がなっているに違いない」と山野を彷徨するに似ている。他人の努力と成果に期待するのではなく、自らの手で作り出す気概を失いたくないものだと思う。

私は学歴も、親の残した財産も無く、大した技術も知識も持ち合わせないごく平凡な男である。しかし、「自分の力の限りを尽くして、地域のために役立ちたい。お客様のために役立ちたい。働いてくださる社員の皆さんのために役立ちたい。」そのような気概だけは常に持ち続けてきたと自負できる。経営者のそのような気概は当然社員にも影響し、私たちの会社は今、若い人たちの活力と熱意でたぎっている。この様な企業が地域にもっともっと増えていって欲しいと切に願う。そのきっかけがグリーンラインから生まれてくれればと祈る。

taiyo2701
不法投棄のゴミを回収する北斗電機工業(株)の社員達

大陽新聞連載~よみがえれグリーンライン~

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