特定非営利活動法人 グリーンラインを愛する会

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15,県立後山公園、遭難(?)事件(その2)

15,県立後山公園、遭難(?)事件(その2)

皆様あけましておめでとうございます。旧年中は7ヶ月もの長きに渡り、私の拙い文章にお付き合いいただきありがとうございました。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

この原稿は12月の下旬に書いています。先日12月11日には10回目となるグリーンラインの一斉清掃が行われました。これは福山解体業協会の皆様が始められたグリーンラインにおける年末の恒例行事です。今年も500人もの善意の方々により実施され8トン以上の不法投棄の回収が出来ました。福山市観光課の皆様始め行政の方々にも多くのご参加を頂きました。この行事が官民協働のひとつの具体例として、長く続いてゆくことを願っています。

ところで、皆様は初日の出見物は何処に行かれましたか?読者の皆様の中にはグリーンラインの初日の出を見物に行かれた方も多かったのではないかと思いますが、さて期待通りの初日の出をご覧になることが出来たのでしょうか?

昨年末の「後山公園遭難事件」の続編です。私もまさか一周一キロちょっとの遊歩道で遭難する羽目になるとは想像もしていませんでした。お陰様でたいした怪我もなく無事生還(笑)する事が出来ました。

 

今回は当時の行政はグリーンライン沿線の松枯れ問題に対して、どのような意識だったのか少し触れてみたいと思う。

私はこの遭難事件の時の調査を元に、田辺県議、宮地市議に同行をお願いして上京し、林野庁を訪問した。別に自慢にもならないが、グリーンラインに関わるようになって私は東京・広島・岡山などの国の出先機関への訪問を10回以上行っている。関係機関への要望書のたぐいも既に10通を上回っている。その経験で言うと我々市民団体の活動に対する理解は間違いなく「中央から地方へ」と傾斜している。対応の姿勢も、市よりは県、県よりは国の方が全体に好意的で柔らかい。(無論例外もないわけではない)

この時も同じであった。3人の職員の方が実に貴重な様々な情報を提供してくださり、またアドバイスをしてくださった。この時の職員の以下の様な発言が特に心に残っている。

「確かに法律の規制はあります。予算の制約もあります。でもそれは“今時点では”と言うことです。事情や状況が変わり、皆さんの力で道を切り開くことは決して不可能じゃありません。皆さんのために法律があり、私達が居るんです。諦めないでください。」

この時の訪問がその後の森林管理署との協働、広島県との協働に大きな力となった。しかし当時の広島県はまだまだ今のような理解や協力の姿勢ではなかった。私がこの時の調査と林野庁で得た情報を元に、地域事務所を訪ねて遊歩道の松枯れ木の伐採や撤去をお願いしたときの担当者の発言は以下のような驚くべきものであった。

「丸山さんが言われることは良く分かります。でも、あそこは国立公園内です。国立公園では石一個動かすのだって許可が要るんです。まして大がかりな整備をするとなると手続きだけでも大変なんです。予算もないです。それにね、あそこは「自然探求路」なんです。「自然探求路」というのは文字通り、ありのままの自然を楽しむための道なんです。多少の危険はあっても、それもまた自然の姿を学ぶことになるんじゃないですか?・・・。」

この担当者は今は異動で福山地域事務所にいないけれども、この発言を聞きながら私はとても怒りを抑えきれなかった。怒りに震える声でやっと私は彼にこう言った。

「分かりました。要するに広島県はあの遊歩道をどうする気もない。仮にあそこに足を踏み入れて、怪我をするようなことが有っても、それはそこに行った者の責任で、県にはなんの管理者責任も無いと言うんですね!良く分かりました。その事をあそこを訪れる人に周知徹底するお手伝いをさせていただきます。」

 

そしてグリーンラインを愛する会は会員と、マスコミ、行政関係者向けに以下のような内容を含む「自然探求路調査報告書」を配布した。広島県福山地域事務所の名前で「通行止め」看板が遊歩道の入り口に立てられたのはそれから間もなくである。

 

(以下引用)

「これから遊歩道を訪ねる方に」

1,遊歩道という言葉に惑わされないように。道は危険が一杯です。「危険探究路」です。

至る所に倒木が横たわり、崖が崩れ、道が崩れています。気を付けてください。

2,ロープは必ず持っていって下さい。コンパスと地図もあった方が良いです。

最後の草むらの手前から引き返してください。無理をすると迷子になります。

3,この道を歩けば、国有林がどの様な状態なのかが良くわかります。また、自然がどれほど荒れ果ててきているかが良くわかります。環境破壊の現状を学びに行ってください。

4,松枯れ木が倒れてくる危険があります。自分の身は自分で守りましょう。

 

(追伸)現在はこの遊歩道は通行可能です。当時より遙かに良い状態です。これには環境省・森林管理署・広島県等の行政の理解や協力が大きな役割を果たしたことを付記します。

 

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広島県があわてて設置した通行禁止看板

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