特定非営利活動法人 グリーンラインを愛する会

16,後山公園第2遊歩道「海が見えた!海が見える!」(その1)

16,後山公園第2遊歩道「海が見えた!海が見える!」(その1)

私達「愛する会」は「自然探求路調査報告書」で後山公園第2遊歩道の現状と、その危険性について行政やマスコミを通して市民への広報を行った。無論この内容には当時の広島県の及び腰の姿勢に対するたっぷりのスパイスを利かせてあった。それを読んで広島県の担当者はあわてて手作りの「通行止め看板」を立てて遊歩道を進入禁止にしてしまった。

しかし、私達はこれで済んだとは無論のこと思っては居なかった。何とかして遊歩道を本来の形に出来ないだろうか?取り敢えず私達会員の手で伐採や除伐を始めることにした。とは言ってもチェンソーなどと言う物を使った経験者はほとんど居ない。無論林業経験者は皆無である。そこで我々はチェンソーの扱い方から勉強を始めることにした。7名の会員が三次にある林業試験場に泊まりがけで講習を受けに行った。私も「50の手習い」でみんなと一緒に勉強した。学科と実技2泊3日の講習で見事全員が合格した。「これで大丈夫、帰ったらバンバン松枯れの木を切りまくってやろう。」私達は勇んで福山に帰り、さっそく遊歩道沿いの松枯れ木や、倒木を伐採しようとした。

ところがここで思わぬ事態が発生した。松枯れ木の所有権の問題である。まさに「この木誰の木?」である。聞いてみるとこの遊歩道は広島県が林野庁から借りているとのことである。広島県が言うには借りているのは遊歩道とその両脇のわずかな部分だけで、松枯れ木が立っている場所は国有林である。従ってこれを伐採したければ林野庁の許可を得て欲しいという。林野庁の森林管理署に聞けば「確かにそうだが現場一帯は国立公園で、環境省の許可がなければ伐採は出来ない。」と言う。さらに「広島県に貸しているのだから、管理責任は県にある。県の了承を得てからの話にして欲しい。」と来た。おまけに「実は遊歩道の両側全部が国有林ではなく、一部は民有林もある。民有林については勿論その所有者と話してくれ。」と言う。ならばその持ち主はどうして調べればいいのか?と聞くと「県に聞いてくれ」と言う。県に聞いたら落書きみたいな図面を持ってきて、これが遊歩道沿いの所有権を記した地図だ。これを見せてやるから自分で交渉してくれ。」と言う。

あっちにウロウロ、こっちにウロウロしている内に我々はすっかり行き詰まってしまった。こんな事をやっていて一体いつになったら実際の作業にかかれるのか?

事理会でこのことが議論になった。一体どうすればいいのか?話し合いは完全に行き詰まり状態になってしまった。私はひとつの決心をするしかなかった。「伐採を強行しよう。国・県には伐採を開始することを通告しよう。民間の所有者は分かれば話しに行くが、分からなければ無断で切ろう。責任は全て私が負います。正しいことをするのだから、仮に責められるにしても、ちゃんと事情を話せば少しは理解もして貰えるだろう。もし問題が大きくなればなったで、我々の置かれている状況や、後山公園第2遊歩道の現状を多くの人に知って貰えることにもなる。危険を冒し、犠牲を払う値打ちはある。やりましょう。」それで議論は決した。環境省、森林管理署、広島県に私達は伐採を開始する事を決意した経緯と、その伐採方法等並びに民有林の伐採は所有者が判然としない場合無断で行うが、その責任は全て私達が負う事を通告した。積極的な許可や同意は得られなかったが、誰もこれを止めるという人はいなかった。

すぐに私達は伐採にかかった。しかしこれもまた想像を絶する難作業だった。いくら講習を受けたと言っても、実際の経験を持たない素人樵(きこり)集団である。はじめからシッチャカメッチャカだった。それでなくても相手は枯れ木である。思いもかけない時に突然倒れ始める。思いがけない方向に倒れてくる。自分で切った木に追いかけ回され逃げまどった。今思っても良くも大した怪我人が出なかったものだと思う。実は私も一度倒れた木の処理をしていて松の木がヘルメットを直撃したことがある。気が付いたら私は道路に倒れ、チェンソーは2・3m離れたところに壊れて転がっていた。幸いたんこぶ程度で済んだのが不幸中の幸いだった。名誉のために言って置くが、今は経験をしっかり積んで、すっかりいっぱしの樵(きこり)である。

そんな私達に天からの助っ人が現れた。「天理教災害救援隊、広島教区隊」の応援申し出があったのは2002年(平成14年)春頃のことだった。この事がなければ遊歩道の整備は確実に数年は遅れていただろう。この話を次回にしてみたい。

 

taiyo16
後山公園第2遊歩道での伐採作業

大陽新聞連載~よみがえれグリーンライン~

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