特定非営利活動法人 グリーンラインを愛する会

7,「つくしの悲劇」・・・「グリーンラインの犬達」からの手紙

7,「つくしの悲劇」・・・「グリーンラインの犬達」からの手紙

2000年12月15日、仕事から帰った私の元に可愛い一通の封筒が届いていた。封筒の裏には可愛い犬たちの写真が・・・そして差出人の名前は「グリーンラインの犬達より」・・・。

私たちはグリーンライン沿線で徘徊する野犬、とりわけ県立後山公園周辺をねぐらとする野犬の保護(捕獲)を福山市に対して要望した。そしてそれがマスコミで報道されて間もなくだった。手紙には次のように記されていた。

 

(本文引用)

「11月の中国新聞に三好市長に「グリンラインはゴミと野犬と暴走族のたまり場」と提出されたことについてですが、野犬は元はと言えば昨日まで一緒に散歩したり餌をくれた飼い主に、突然背を向けられてしまった飼い犬なのです。

昨年NHKで話題になったグリーンラインの”つくし”のこと、ご存じでいらっしゃいますか?劇薬のようなものをかけられ、焼けただれ、あちこちの皮膚がえぐられ、赤い身が出て、両目にもその液が入り、光も見えない状態でした。そのうえお尻には針金がつっこまれていました。寒くて、暗い山の中、抵抗もできず、怯えて・・・。捨てられるために、虐待されるために、生まれてきたわけじゃないですよね!

社会システムの中でもっとも弱い立場にある動物への虐待行為は、生命軽視の源であり、凶悪犯罪の増加などに代表される、現在の福山の心の荒廃へと繋がっているのではないでしょうか?

(中略)

犬をなくしても、私にはきれいなグリーンラインには思えません。人間さえよければいいと言う考えにしか思えません!

どうかグリーンラインの犬たちの命を奪うことだけはなさらないでください。目の前の犬たちがいなくなったら、解決したとは言えません!

どうか丸山様にグリーンラインの犬たちのSOSが届きますように!」

(後略)

 

私は何度も涙を拭いながらこの手紙を読んだ。今でもこの文章を読むたびに目頭が熱くなる。しかし、私はグリーンラインの犬達の置かれている状況が「かわいそう」等という言葉ではすまされないことを知っていた。この手紙を書かれた方の気持ちに同感しながらも、私はわき上がる怒りを抑えきれなかった。

その怒りは命あるものを無造作に捨てて省みない、人とも言えない人々への怒りだけではなかった。「犬を殺すな」「保護して生かすことは出来ないのか?」「去勢をしてやればいい」「犬を捨てない、命を大切にすることをもっと訴えるべきだ」そのような発言をしながら、自分では具体的には何もしようとしない人々への怒りでもあった。勿論それらはいずれも正論である。しかしその正論は、今現在も捨てられ続け、恐怖と不安に怯え、飢えに苦しみ、病気で苦しみ、野犬やカラスに脅かされ、車にはねられて、傷つき、死んで行くグリーンラインの犬達には何の救いにもならないのだ!

そして・・・私もまた、そのような犬達に死を与える以外に何も出来ない、無力な人間なのだ。そんな自分に対しても、やり場のない怒りと無力感を感じていた。所詮人間の出来ることなどたかが知れているのだ。お前の安っぽい道徳心だか良心だか、正義感だか使命感だか・・・そんなものが何になる!

私はグリーンラインを愛する会を立ち上げたこと、そして「グリーンラインの環境の改善と活性化」等という、途方もない夢を抱いてしまったことを後悔していた。

「これではまるでドンキホーテだ・・・相手は風車どころじゃない・・・」私は打ちのめされていた。まだ1年もたたないと言うのに・・・。

taiyo07

2001年11月、野犬保護のために保健所の協力を得て現地活動。

大陽新聞連載~よみがえれグリーンライン~

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